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AI、IoTと労働運動(第3回)
(2017年12月27日)

 AIは人間の生活や仕事、雇用にどんな影響を与えるのか? 「AIで、仕事とはどうなる?」(友寄英隆、『学習の友』2017年11月号)は、わかりやすく書かれた論文である。
 友寄氏は、AIとは何か、その応用範囲が極めて広いことについて具体的事例をあげ説明している。そしてAIの発達と活用分野の広がりは「人類の科学文明と工学技術の急速な発展の結果であり、それ自体は、決して悪いことでは」ないが、資本主義社会では、利潤追求のために「個々の企業レベルの人減らしによる『生産性上昇』に拍車をかける危険」を指摘している。しかもAIの導入は、「これまでのような個々の企業、職場での『合理化』にとどまらずに、ある職種そのものがそっくりAIや人型ロボットに置き換わって、大量失業が発生する」危険を、野村総合研究所の報告や経産省の「新産業構造ビジョン」を使い説明している。
 では、AIやロボットの発展に対してどう対応すればよいのか? AIやロボットの発展は、個々の企業にとどまらず職種、産業で広範な影響をもたらすので、「社会全体で労働時間を短縮するなど、労働条件を大幅に改善する条件が生まれ」、労働時間を短縮していけば、「社会全体の雇用を確保できる」と論じている。
 しかしそのためには、利潤追求最優先の企業にまかせていてはうまくいかない。「社会的な対応、国家的政策がどうしても必要である」と友寄氏は論じている。
 同じく友寄氏が『「人口減少社会」とは何か―人口問題を考える12章』(学習の友社)のなかで、「『人口減少社会』はAIやIoTで乗り越えられるか」を書かれているが、大変参考になる。この書では、「人口減少」「労働力人口の減少」をAIやIoTで乗り越えられるかという角度から論じている。このなかで友寄氏はAIやIoTについて楽観論や悲観論が論じられているが、いずれも根本的視点において正しくない。「AIやIoTを活用する社会制度の側の分析、資本主義的生産関係の分析が基本的に欠落している」と論じている。
 安倍政権は、2018年の通常国会で「働き方改革」法案を上程しようとしている。国民の立場からの「真の働き方改革」の実現のために、国民的運動が求められている。同時にAIやIoTを人間の幸せのために活用するためには、社会制度、資本主義的生産関係の学習を国民的に広げることが求められている。


AI、IoTと労働運動(第3回)

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