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AI、IoTと労働運動(第2回)
(2017年12月19日)

●AI導入で大リストラ
 3大メガバンクが相次いで人減らし計画を発表した。アベノミクスの一環である日銀のマイナス金利で、本業の国内貸し出しの収益が低迷したのを、AIを導入して従業員を減らす計画である。
三菱UFJフィナンシャルグループは、金融と情報技術(IT)を融合したフィンテックで業務合理化を進め、国内約480店のうち、1割から2割程度を削減し、今後10年くらいで約1万人の人員削減を計画。
みずほフィナンシャルグループは、業務量を見直し、現在およそ6万人の人員を、10年ほどかけて、およそ1万9,000人減らす計画である。
 みずほ銀行とソフトバンクが設立した合弁会社J.Scoreは、9月からAIを活用した融資サービスをスタートさせている。J.Scoreは、審査から手続きまで、ほとんど全てのプロセスがネットで完結するので、業務に従事する人数を大幅に削減することが可能だ。
 三井住友フィナンシャルグループは、5月に公表した3カ年の新中期経営計画で、フィンテックの進展や店舗政策の見直しによる効率化などで人員削減効果を約4000人としている。
 保険業界でも人工知能(AI)の導入が相次いでいる。営業力の強化や事務の効率化が狙いで、日本生命保険は優秀な営業職員のノウハウを共有できるシステムの運用を4月に始めた。日本生命は、契約者情報など約4000万人分のデータを蓄積。成績優秀者の営業パターンをAIが分析し、全国の営業職員が顧客に新たな商品を提案する最適なタイミングなどを、携帯端末を通じてAIが助言する。
 富国生命保険は1月、医療保険の給付金支払いの査定業務にAIを導入した。医師の診断書から病気や手術の内容を読み取って整理する。事務負担が軽減され、導入後、査定担当者を約30人減らした。
日本経済新聞社、2017年1月、「決算サマリー」というサービスを発表した。企業の決算に関する記事を、人工知能が自動的に作成する技術である。様々な企業の財務に導入され、人減らしに結び付く可能性もある。

●AI、IoTは人減らしだけでなく、労働者の行動・言動などもすべて把握し、AIが指示を出すという究極の「合理化」、「働き方改革」に活用されようとしている。
 日立は「AI技術とウエラブル技術を活用し組織の幸福感を計測」する技術を開発した。これは、名札型ウエラブルセンサーを一人一人の労働者につけ、オフィスにもセンサーを設置し、「出社・退社時刻」「会議の長さや人数」「デスクワークの仕方」、そしてコミュニケーションの中身までもAIで判断し、一人一人の働き方を提示し、これよって業績を向上させる技術である。これと日立が開発したプラットホーム「ルマーダ」が一体となって高効率な営業や生産モデル構築が始まっている。不動産サービスの大手JLLがすでに導入しており、日立とトヨタも共同で始めている。


AI、IoTと労働運動(第2回)

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