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AI、IoTと労働運動(第1回)
(2017年10月2日)

 AIやIoTについての提言や書籍がだされ、マスメディアでの取り上げも急速に増えている。労働組合運動としてどのように対応するのかが問われている。
2015年ごろからAI、IoTにかかわる報告書が相次いで発表されているが、安倍政権は、2015 年6月の 「『日本再興戦略』改訂 2015」において、「生産性革命」の実現に向けた重要な柱の1つとして「第4次産業革命」を位置づけ、2016年6月に閣議決定した「日本再興戦略2016――第4次産業革命に向けて」において、「第4次産業革命の実現」の具体策をうちだし、その司令塔として「未来投資会議」を設置した。そして2017年には、「未来投資会議」での議論を踏まえ、今までの表題であった「日本再興戦略」を「未来投資戦略2017――Society 5.0 の実現に向けた改革」に変更した。
政府諸機関にある推進体制と「報告書」については、関西経済同友会がまとめているので、それをベースに補強したものを掲載する。

主催 名称 目的
内閣府 未来投資会議 産業競争力会議及び未来投資に向けた官民対話を発展的に統合した成長戦略の司令塔として、「未来への投資」の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図る
人工知能と人間社会に関する懇談会 幅広い観点からAI が進展する未来社会を見据えて、AI と人間社会の関わりについて今後取り組むべき課題や方向性を検討する。2016年11月に報告書を発表
第4 次産業革命
人材育成推進会議
第4 次産業革命による産業構造や社会構造の転換を踏まえ、各産業で求められるスキルや能力等の人材育成について検討し、各省庁が実施すべき具体的な施策に反映する
ロボット革命
実現会議
ロボットを人手不足解消やサービス部門の生産性向上の切り札にすると同時に、成長産業に育成するための戦略を策定する。2015 年2 月に「ロボット新戦略」を公表
経済産業省 産業構造審議会
新産業構造部会
AI、IoT、ビッグデータ、ロボット等の技術革新を的確に捉え、AI、IoT、ビッグデータ、ロボット等の技術革新を的確に捉え、経済社会システムを変革するための官民の羅針盤を策定する。
2016 年4 月に「新産業構造ビジョン中間整理」を公表
商務流通情報分科会 2015 年 5月に「IoT 時代に対応したデータ経営 2.0 の促進」の中間取りまとめ報告書
総務省 AI ネットワーク社会推進会議

AI の開発原則・指針の策定や、AI ネットワーク化が社会・経済にもたらす影響とリスクの評価等、AI ネットワーク化の推進に向けた社会的・経済的・倫理的・法的課題を総合的に検討する。
2017年7月に「報告書2017 -AIネットワーク化に関する国際的な議論の推進に向けて」

IoT政策委員会 2017年1月「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方(第3次中間答申)」
厚生労働省 働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために懇談会 2035 年を見据え 個々の事情に応じた多様な働き方が可能となる社会への変革を目指し、これまでの延長線上にない検討を行う。2016 年8 月に「報告書」を公表
総務省
文部科学省
経済産業省
人工知能技術戦略会議 AI 技術研究開発の司令塔として、総務省・文部科学省・経済産業省の3 省連携を図る。
2016 年度中にAI 研究、産業化のロードマップを策定予定

(関西経済同友会・雇用の未来委員会「提言 AI・ロボット社会到来による真のグローバル競争時代に備えて~希望ある雇用の未来を勝ち取るために」〈2017年4月〉より、一部補強。


 また、日本経団連「新たな経済社会の実現に向けて ~「Society 5.0」の深化による経済社会の革新~」(2016年4月)の中にも日本経団連がまとめた【政府における IoT、AI、ロボット等の検討・推進体制】の図が掲載されている(19ページ)
 これらの推進体制を見ても、政府・財界がAI、IoTなど「第4次産業革命」、「Society 5.0」実現に向けて、急速に動いていることが読み取れる。

 財界からは、下記の報告書が公表されている。
①日本経団連「新たな経済社会の実現に向けて ~「Society 5.0」の深化による経済社会の革新~」(2016年4月)。
 この報告書では、「第4次産業革命」(おもにドイツで使われ始めた)でなく、「Society 5.0」というコンセプトで、「産業の生産性向上のみならず、新産業の 創出とともに、少子高齢化やエネルギー問題等の社会課題の解決を図ることを 目的としており、他国の類似の戦略より対象範囲が広いコンセプトであるのが 特徴と言える。」と述べている。
 政府も2017年から、「未来投資戦略2017  Society 5.0 の実現に向けた改革」と表題を変え、「近年急激に起 きている第4次産業革命(IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボット、シェ アリングエコノミー等)のイノベーションを、あらゆる産業や社会生活に取り 入れることにより、様々な社会課題を解決する「Society 5.01 」を実現すること にある。」と述べている。
②関西経済同友会・雇用の未来委員会「提言 AI・ロボット社会到来による真のグローバル競争時代に備えて~希望ある雇用の未来を勝ち取るために」〈2017年4月〉
 表題にも表れているように、雇用問題を中心にした報告書である。


AI、IoTと労働運動(第1回)

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